絵本から次のステップに踏み出すオススメの児童書

本格的な読書への門戸を開く児童書たち

子供はだいたい8~9ヶ月くらいから絵本に描かれている絵を認識するようになると言われています。
成長の速度は人によって異なりますが、幼い頃より絵本の読み聞かせに慣れてきた子供の多くは小学校就学前に簡単な文章を読むことができるようになっているでしょう。

「絵本」とは、基本的にページの大部分をイラストが埋めており文章はその絵を補足するために付け加えられているものが大半です。

しかしある程度自分で読める言葉が増えてくると、絵(ビジュアル)ではなくそこに書かれている文字を追ったストーリーを求めるようになります。

この絵本からワンステップ進んだ書籍を「児童文学」や「児童書」と言い、感受性豊かな10歳前後の子供たちの情操教育に大きな影響を与えてくれるものです。

どこまでが「絵本」で、どこからが「児童書」であるかの定義は明確に定められているわけではありません。
ただ、その本を手に取る子供が読み聞かせではなく自主的に物語を楽しむために読むようになった書籍は「児童書」と言ってもよいでしょう。

児童文学の名著の歴史

児童文学というといかにも子供向けに書かれた話のようなイメージがありますが、過去には大人が読んでも十分に読み応えがある名著がいくつもあります。

ここ近年では大ヒットシリーズとなった「ハリー・ポッター」がまず最初に挙げられます。
おそらく小中学生の子供を持つ家庭で、ハリー・ポッターシリーズをずっと読んでいたという経験をされた方も多いでしょう。

しかしハリー・ポッターは突然前触れもなく現れたものというわけではなく、過去の名著の歴史の流れから生み出されることになった作品です。

ヨーロッパ地域では児童文学が文壇で非常に重要な位置づけとなっており、ミヒャエル・エンデの「モモ」やサン=テグジュペリの「星の王子さま」、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」など、日本でも有名な作品がいくつも生み出されてきました。

日本においては最も有名な児童文学者として宮沢賢治がおり、「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」「グスコーブドリの伝記」などの数々の名著を残しています。

これらはいずれも児童書として一度は読んでもらいたい名著となっており、絵本では物足りず自分で本を読みたいと思うようになった子供にとってふさわしい次のステップを用意してくれるのです。

日本で人気児童書としては「かいけつゾロリシリーズ」や「ズッコケ三人組シリーズ」「ぼくは王様」といったようなものが挙げられます。

いずれにしても児童書はその後の読書人生を決める大きなものになりますので、あまり保護者から強制するのではなく自然に子供に選ばせるようにしてもらいたいところです。