子供に汗疹が出来てしまったら?

子供の皮膚疾患で代表的な「汗疹(あせも)」

生後数ヶ月の赤ちゃんは皮膚の機能が未発達で、非常に免疫力が弱い状態です。
赤ちゃんの備えている皮膚そのものの機能は大人のそれと全く同じではあるのですが、皮膚そのものの厚みがなく皮脂の分泌量が少ないことから、外的な刺激に対してのバリア機能が十分ではありません。

そのため大人の感覚では「このくらい平気だろう」と思えるような食べこぼしや汗、よだれ、排泄物の付着でもすぐに肌荒れが起こってしまうのです。

中でも厄介なのが自分自身の体の中から出てくる汗で、夏場など気温が高い時期に肌に付着した汗が皮膚に悪影響を及ぼし、汗疹の原因になってしまいます。

赤ちゃんの体は大人と比べてかなり小さいですが、体内に備わっている汗腺の数は大人と全く変わりがありません。
ですので同じ「暑い」と感じる環境でも、大人よりも赤ちゃんの方が密集した汗腺からたくさんの汗をかいてしまうことになります。

汗疹の原因は赤ちゃん自身がかいてしまった汗がいつまでも肌に付着してしまうことです。
大人の感覚ではなく、赤ちゃんの汗の状態を細かく観察して、こまめに汗を拭いてあげたり下着を交換してあげるようにしましょう。

また赤ちゃんの体は首や肘の関節、股間など肉が密集しているところが多くあります。
きちんとお風呂に入っているつもりでも、そうした肉の隙間に洗い残しをしている事があるので、きちんと肉のヒダの間の汗も丁寧に拭き取ってあげるようにしましょう。

できてしまった汗疹はそっとしておく

汗疹は蕁麻疹などのアレルギー性皮膚疾患と異なり、皮膚上の汗腺に汚れが詰まってしまうことで起こる症状です。

大人にとっての「にきび」のようなものなので、ちょっと冷やしたり汚れを拭ったくらいではすぐに治ってくれません。
もし赤ちゃんの体に汗疹ができてしまったら、焦らずに体を清潔に保つということが大切になります。

汗疹には「紅色汗疹」と「水晶様汗疹」の二種類があり、皮膚のどの階層にできたかによって様子が異なってくるものです。

「水晶様汗疹」は水ぶくれ状になっている汗疹のことで、あまり痒みはなくそのまま放置しておけば数日以内に自然に消えていってくれます。

もう一方の「紅色汗疹」は皮膚の深い部分にある汗腺で詰まりが起こることにより、肌表面に赤いぶつぶつができてしまうというタイプの汗疹です。

強いかゆみを伴うことで赤ちゃんが自分自身で掻きむしってしまうということもあり、そこから飛び火して体中に広がってしまうケースもあります。

紅色汗疹も放置していれば自然に治るものですが、かゆみが強いことから範囲が拡大して症状が重篤化することもあるでしょう。
ひどい場合は小児科を受診し、かゆみ止めの塗り薬を処方してもらうと安心です。